中華文明の考古学

編者の退職を機に国内外の研究者が集い、進展著しい中国の考古学研究を中心に、朝鮮や日本など関連諸国も含め最新の研究を集積し、広く東アジア的視点から「中華文明」の特性を抽出する。

第Ⅰ部　中国編

良渚囲壁集落と良渚遺跡群（中村慎一）／先史マカオの玉器製作におけるロクロの考察（鄧聡・劉宇毅訳）／大石サン考（小柳美樹）／海岳地区における生業に関する一考察（加藤里美）／宮室建築と中原国家文明の形成（許宏・内田宏美訳）／二里頭遺跡の出現（大貫静夫）／二里頭文化の長流壺に関する一考察（長尾宗史）／殷文化の東方開拓と発展（劉緒・近藤はる香訳）／殷墟骨笄・象牙笄の広がり（鈴木舞）／甲骨文字研究の成果蓄積とデジタル化技術（鈴木敦）／青銅ユウの法量規格（廣川守）／馬牲の境界（菊地大樹）／宝鶏石鼓山西周墓の発見と高領袋足鬲（西江清高）／西周青銅器の生産、流通の分散化（近藤はる香）／西周青銅戈毀兵行為に関する研究（田畑潤）／西周時代の青銅明器（角道亮介）／山東龍口帰城遺跡考（黄川田修）／周式銅剣から見た巴蜀式青銅器の出現過程（宮本一夫）／東周から漢時代にかけての黒陶着色技法（川村佳男）／建国期における秦文化の一考察（高野晶文）／江漢地域における秦墓の成立（小澤正人）／咸陽厳家溝陵園における考古学的発見と探索（焦南峰・安食多嘉子訳）／中国鏡の出現（岸本泰緒子）／名工孟氏伝（岡村秀典）／漢代墓葬出土銭の研究（佐藤大樹）／清代の銭貨流通（三宅俊彦）

第Ⅱ部　周辺地域編

日韓のハソウと有孔広口壺（酒井清治）／銅斧と銅剣の鋳型（千葉基次）／高句麗東山洞壁画古墳出土の青磁獅子形燭台（早乙女雅博）／弥生時代研究と侵略戦争（寺前直人）／日本列島における方相氏の起源をめぐって（設楽博己）／西の船・東の船団（杉山浩平）／日本の神仙思想と道教的信仰（利部修）／三角縁神獣鏡前半期の分有ネットワークの変遷（折原洋一）／筒形器台の分類と編年（池野正男）／日本における勾玉研究の意義（瀧音大）／北方四島の考古学的研究（右代啓視）／弥生後期十王台式期における集落の一様相（浅間陽）／入間川上流域の古墳時代（油布憲昭）／移民の土師器生産（藤野一之）／GRONINGER MUSEUMの中国・日本磁器（高島裕之）／民俗資料の貿易陶磁の壷（鈴木裕子）